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《2019年2月27日》
県立高校元男子バレー部員・損害賠償請求事件訴訟について質疑
部活動顧問による暴力・暴言が違法行為と認定


 2月27日、県議会・商工文教委員会で質疑に立ち、盛岡市内の県立高校バレー部に所属していた元男子生徒が、部活動顧問による暴力や暴言でPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症したとして、顧問教諭と県に損害賠償を求めていた裁判で、県にたいし40万円の支払いを命じる判決が確定した問題について取り上げました。
 私は、「判決では、部活動顧問が当該生徒にたいし『平手打ち』や、人格を否定するような暴言が『教員としての裁量を逸脱した違法な行為』と認定されたことはきわめて重要だ」と強調。高橋嘉行県教育長に受け止めを質すとともに、直ちに謝罪すべきではないかと迫りました。
 高橋教育長は、「判決は真摯に受け止めなければならない。事実にしっかり向き合い、再発防止に努めていく。判決で県の責任とされた部分については、しっかり謝罪すべきと思っており、適切に対応したい」と答えました。
 さらに、昨年この教諭が顧問を務めていた県立高校バレー部員の生徒が自殺し、第三者委員会による調査が行われていることにも触れ、「一審判決で適切な対応をしていれば起きなかった事件ではなかったか」と指摘。顧問の暴言で自殺に追い込まれるケースが全国で起きていると述べ、改めて判決をしっかり受け止め、教訓を徹底するよう求めました。

 質疑の大要は「議会報告」をご覧下さい。


《2019年2月25日》
2月定例県議会本会議で高田一郎県議が一般質問に立つ

 2月25日、県議会本会議で高田一郎県議が一般質問に立ち、大震災津波からの復興の課題などをとりあげました。
 高田県議は、被災者の孤独死が年々増加し、2018年には前年の2倍の21人(災害公営住宅で18人)が亡くなっていると指摘。「1000人を超える孤独死を出した阪神・淡路大震災の教訓を生かして、抜本的な対策を」と要求しました。
 達増拓也知事は、孤独死が累計80人(18年12月末現在)に及ぶなか、「被災者が地域で孤立を深めることのないように、きめ細かな対応が必要だ。生活支援相談員を来年度も継続して配置する」と答弁しました。
 高田県議は高すぎる国保税について、宮古市が19年度から高校生までの均等割を免除すると述べ、他市町村に広がるように支援すべきだと強調。滞納した133世帯に資格証明書(10割負担)が発行されているが、「命にかかわる問題だ。実態をよく聞き、親身に対応を」と訴えました。
 高田県議は、北上市の幼児虐待死事件(昨年4月)では、「市の非常勤の家庭児童相談員が対応し、他事業と兼務していた。正規職員の養成と長期間の配置へ市町村を支援すべきだ」と提起。県の児童相談所では児童福祉司が1人当たり70ケース対応しており、国基準の一人40ケースへ改善するために増員が必要だと迫りました。


《2019年2月19日》
小池晃書記局長・参議院議員が来県し被災地調査
達増知事、戸羽陸前高田市長、戸田大船渡市長らと懇談


 2月19日、東日本大震災発災8年を前に、日本共産党の小池晃書記局長・参院議員、岩渕友参院議員は、岩手県を訪れ、達増拓也知事、戸羽太陸前高田市長、戸田公明大船渡市長、生活福祉の行政関係者や商工会代表と懇談しました。菅原則勝党県委員長、岩手県議団(斉藤信、高田一郎、千田美津子)、地元市議団が同行しました。
 県庁では佐々木信復興局長が、▽死者・不明者が6200人超▽大震災での被害は県のGDP1年分▽沿岸部の災害公営住宅は99%が完成したが、今も2800人超が仮設住宅住まい▽基幹産業の漁業施設は復旧したが不漁で水揚げは5〜6割―と説明しました。
 達増知事は政府が復興期間を2021年度末までの10年間としていることに関連して、「復興は進みつつあるが、産業再生、防潮堤建設、被災者の心のケアなど、10年を超える課題がある。国の施策が切断されないようにしてほしい」と述べました。
 小池氏は国の財政負担は絶対に途切れさせてはいけないとしたうえで、「沿岸部など被害の大きいところを中心に復興はまだ道半ばだ。国は『総仕上げの時期』などというが、震災から教訓を導き出す姿勢がない。これまでの施策を全面的に見直させ、災害から国民の命を守るため力を尽くす」と述べました。
 達増知事が「震災の教訓が生かされていないと感じることがある。県としてもシンポジウムを行うなど発信していきたい」と発言。小池氏は「岩手は野党共闘発祥の地でもある。力を合わせていきましょう」と応じました。

陸前高田市、大船渡市を訪問し、被災地の切実な要望を聞く

 陸前高田市は津波で約半数の家屋が被害を受け、うち93・6%が全壊。1700人を超す死者が出ました。山に面して平地が少なく、その平地の大半が被害を受けたため、大規模な土地のかさ上げ、区画整理事業を行いました。
 戸羽市長は「区画整理は時間がかかる。希望していた人が待ちきれず民有地を確保して移転してしまい、その結果空き地ができてしまう。一日も早く無駄のない土地活用ができる制度を編み出さなくてはいけない」と強調。また、「被害が大きかった地域なのに、政府の文書で『復興が遅れている地域』と表現されることがあるのはつらい」と話しました。
 また、小池氏は陸前高田市の災害公営住宅で、移動販売の車に買い物に来た住民の話を聞きました。女性(81)は「災害公営住宅の住み心地はいいよ。でも一人でさみしい。共産党を応援しているよ」と話していました。
 戸田大船渡市長は被災地を全て買い取ることはできず、市有地と民有地が点在するなかで有効活用が難しいことを説明。住民合意で貸し付け、譲渡を進め、大規模なイチゴ農園ができる事例も紹介しました。

国の支援延長を

 交通確保は深刻な課題です。大船渡市は要望書で、「地方の少子高齢化→公共交通縮小→少子高齢化の進行」という「負のスパイラル」に陥っていると指摘しています。
 戸羽・陸前高田市長は「町のはずれにいるお年寄りにとって町の中心部にいって集まりに出たり、買い物をしたりすることで元気になる。交通確保は生きる権利で地方任せにすべきものではない」と指摘。同時に公共交通だけに頼るのは限界があり、住民同士の「支えあい交通」が必要で、そのためには過疎地の事情を考慮した対策が必要ではないかと問題提起しました。
 政府が復興期間を2020年度末までの10年間としていることに関連して、財源確保の要望も両市からだされました。陸前高田市は仮設商店街への助成が来月末までとなっていることにも触れ、地域の実情に応じ、補助金等の申請、運用の延長を求めています。

深刻な人口流出

 人口減少、労働力不足も深刻な問題として共通して出されました。
 戸田・大船渡市長は大都市と比べ、地方の所得が少ないことを変えないと人口流出は止まらないと話しました。小池氏が「中小企業を支援しつつ全国一律の最低賃金を確立すれば、これほど効果的な政策はない」と指摘。戸田氏は「韓国でも全国一律最賃を導入した。日本でもやってもらえると助かる」と応じました。
 小池氏は「被災地の被害については、最も困難なところを基準にして対策を考えるべきだ。要望をふまえ、政策的にも検討し、被災者支援に全力を尽くす」と強調しました。

高齢入居者見守り活動

 大船渡市で小池氏は、見守りによる孤独死を出さない取り組みにかかわる市職員や市社会福祉協議会の関係者らと懇談。生活困窮者の自立相談のほか、生活環境の変化で高齢者が閉じこもって心身機能を低下させないようサロン活動などの支援が行われていると、説明を受けました。市の担当課長は、災害公営住宅に入居する890人のうち237人が高齢の独り暮らしや健康状態などに不安を抱えるため、見守り支援が必要な対象として判断していると語りました。
 住民同士のつながりが希薄になりやすい災害公営住宅のコミュニティー確立の取り組みでは、ラジオ体操や清掃など顔合わせ機会の創出や団地会の形成支援によって、25ある災害公営住宅のほとんどでコミュニティー活動が継続されていると報告されました。
 小池氏は「大切な取り組みなので、財政支援を切らさないよう国に対して求めていきたい」とのべました。

厳しい現状 事業者から

 陸前高田市では、陸前高田商工会の磐井正篤副会長、佐々木誠事務局長らが、震災前は700人だった会員が亡くなったり、廃業したりして200人減少する中、商工会の財政的に厳しい運営の現状を説明。「復興・創生期間」の終了とともに国の支援が打ち切られることへの懸念や中小企業などのグループ施設復旧費を国庫で補助する「グループ補助金」の継続と交付要件緩和、補助金対応をはじめ増えた業務への対応で各商工会に増員された事務員の支援の継続など要望が語られました。
 磐井副会長は、酒類や雑貨などを扱う店を再建した自身の経験を踏まえ、「被災した事業者が頼れるところは商工会以外に何もなかった。何とか支援を途切れさせないでほしい」と訴えました。
 小池氏は「国が今ここで支援を打ち切るなどということは許されない」と強調。消費税10%増税について問われた磐井副会長は、複雑な軽減税率で事業者は大混乱に陥る恐れをのべながら、被災地の復興、生業(なりわい)・生活の再建はまだこれからの中、「今なのか、という思い」と話しました。
 小池氏は「被災地に重くのしかかる消費税増税は中止させましょう」と応じ、「街のにぎわいを取り戻す上でも商工会の役割は極めて大きいので、しっかり国に要望を伝え、支援を求めていきたい」と語りました。


《2019年2月18日》
参議院岩手選挙区の野党統一候補に元パラリンピック選手の横沢高徳さん

 2月18日、参院岩手選挙区(改選数1)の野党統一候補について、日本共産党岩手県委員会、自由党岩手県連、社民党岩手県連合は、元パラリンピック選手の横沢高徳氏(46)を擁立する方針で合意しました。国民民主党岩手県連も入った野党共闘調整会議終了後、3野党が県庁で記者会見し、発表しました。
 4野党は昨年4月から17回にも及ぶ調整会議を開催。合同街頭演説、沖縄県知事選勝利報告集会、本格的な野党共闘の実現に向けた4野党本部間の協議促進を求める要望書提出など、共闘の努力を重ねてきました。
 その上に立って4野党は10項目の共通政策で合意(1日)、10月からの消費増税中止▽安倍改憲阻止、安保法制廃止、安倍政権打倒▽辺野古への新基地建設中止▽「原発ゼロ」の日本▽日米FTA(自由貿易協定)交渉の中止▽大震災津波からの復興▽毎月勤労統計、森友・加計疑惑の全容究明―などを確認してきました。なお、立憲民主党は県連組織がありません。
 今回、横沢氏は無所属で立候補。私は会見で「統一候補選定で真剣な協議を続けた結果、3野党は横沢氏に決定した」と述べ、現状では国民民主党の賛同を得られなかったが、党本部間の協議を踏まえて、4野党の共闘ができるようにひきつづき努力すると強調しました。
 19日に岩手県入りした小池晃書記局長は、記者の質問に答え、「私たちは、今年の参院選の32ある1人区すべてで野党の候補者を一本化して、相互に支援しあう本気の共闘で自民党に勝とうとやってきました。4党で政策の合意もされているわけですから、ぜひ国民民主党もふくめて一致できる方向に、党本部間でもそういう働きかけをしていきたい。席は空けていますので、ぜひ国民民主党にも、ともに加わっていただいて、4党で結束してたたかう選挙にしていきたい」と述べました。

<横沢高徳さんの略歴>
 岩手県矢巾町生まれ、盛岡工業高卒。1997年に脊髄を損傷し、車いす生活に。2010年バンクーバーパラリンピックでアルペンスキー日本代表選手として出場。


《2019年2月14日》
宮古市が国保税子どもの均等割を来年度から免除へ

 2月14日、宮古市は市議会全員協議会で、国保税の子どもの均等割(人数割)を免除する2019年度予算案を発表しました。
 均等割免除は、子育て世帯の経済的支援が目的です。初年度となる19年度は、システム改修費を含め1833万円余を計上。対象者数は501世帯、高校生までの836人を見込み、財源にふるさと寄付金「市長におまかせ」を活用します。
 均等割免除は、日本共産党市議団(2人)が昨年の12月議会で山本正徳市長に要求していたものです。
 落合久三市議は一般質問で、宮古市での所得266万円の国保世帯(4人家族)の国保税額は、協会けんぽ世帯(同)と比べて年間19万円高いと指摘。所得に関係なく課せられる均等割(1人2万5400円=医療分と支援分)は子育て支援に逆行しており、全国知事会や全国市長会が求めているように廃止・軽減すべきだと迫りました。落合氏はまた、市の国保税額(16年度)で均等割分は所得割分の51%に達していると強調しました。
 山本市長は「全国市長会も国に同趣旨の要請をしており、子どもの均等割軽減の提案は今度検討する」と答弁していました。
 落合氏は「今回は均等割免除の対象が子どもに限られているものの、国保税軽減・改善への大きな一歩だと思う」と話しています。


《2019年2月11日》
第2回大規模災害公営住宅自治会交流会開かれる
担い手不足、高齢化問題など意見交換


 2月11日、第2回大規模災害公営住宅自治会交流会が、陸前高田市の栃ヶ沢災害公営住宅の集会所で開かれました。県内の5自治会、宮城県からも3自治会、38人の自治会役員と、岩手県、大槌町、陸前高田市、石巻市、多賀城市、気仙沼市の行政・社協・NPOの方々、東京・千葉・神奈川・京都の大学関係者など40人が参加しました。私もオブザーバーとして参加してきました。
 今回のテーマは、@役員の担い手不足、A高齢者が多い、B参加・関心が低い、C役員の負担が大きい―の4つで、6グループに分かれて、テーマを絞り意見交換が行われました。意見交換の後6グループから報告がありました。「役員のなり手がない」のテーマでは、「役員は実施部隊ではなくリーダーの役割を果たすこととし、行事ごとに実行委員会を作ってやっている」「バーべキュ―などの行事にボランティアを募集している」「元気な高齢者の参加を重視している」などの意見が紹介されました。「参加・関心が低い」のテーマでは、「住民の趣味を生かしたサークル活動」「みんなで作り、片付けも行う食事会」「夏祭りの取り組みに近隣の子ども会も参加した」などの意見が紹介されました。
 共通して出されたのは、住民同士のコミュニティを確立するために、「声かけが大事」「若い人も決められればルールには従ってやる」との声でした。全体の交流会では、あいさつ運動を自治会として取り組むことが確認されました。
 また、「若い世代や役員自身が収入超過者として『退去勧告』を受けている」、「被災した親が入居名義人となっていて、面倒を見るために帰郷した息子・娘が、親が亡くなったために退去を迫られた」などの切実な問題も出されました。県の小野寺住宅課長は、「入居名義人の親が亡くなった場合の対応は、運用の問題であり、対応の改善について市町村と協議している」と答えたことは前進です。収入超過者に対する「退去勧告」はやりすぎです。県は退去を押し付けないとしており、収入基準の引き上げや上限家賃の軽減など、県内でも実施している市町村があります。交流会の名で、陳情を行うことも確認されました。
 災害公営住宅の入居者の声も聞いてきました。災害公営住宅の隣にある市のコミュニティホールに毎日来ている一人暮らしのお年寄りが集まっていました。みんな80代とのこと。「災害公営住宅に1人でいると寂しくて、牢屋のようだ」「仮設の方が助け合おうという交流があった」「今はやることがない」との声を聞いてきました。孤立化・孤独化への対応が必要と感じてきました。


《2019年2月11日》
私たちの暮らしに憲法をいかそう!
建国記念日を考える市民のつどいに300人


 2月11日、「建国記念日を考える市民のつどい」が開かれ、サンビル7階大ホールの会場がいっぱいの300人以上が参加しました。
 開会あいさつで、石橋乙秀弁護士は、「建国記念日そのものが、明治時代の紀元節を復活させたもので、歴史的根拠のないフェイクニュースそのもの」と厳しく指摘しました。
 各政党あいさつでは、日本共産党の私と社民党の小西和子代表があいさつしました。私は、10日開かれた自民党の党大会で安倍首相が憲法9条の改正に執念を見せたこと。憲法違反の大軍拡がアメリカからの兵器爆買いという異常な事態となっていること。毎勤統計の不正・偽造によって消費税10%増税の根拠が崩れていることを指摘し、増税を中止させる運動を呼びかけました。また、県内の野党共闘の到達点についても述べました(別掲)。
 岩手大学横山英信教授が、「私たちの暮らしに憲法をいかす」と題して講演しました。横山教授は、建国記念日が、「日本書紀」の建国神話をもとに明治政府が1873年に「紀元節」を創設したものを、1966年に自民党佐藤栄作内閣の下で復活させたものとのべ、日本国憲法に適合しているのかと指摘しました。安倍政権の「自衛隊明記改憲論」について、ごまかし、すり替え、改ざんなど「反知性」「非論理」の問題点を指摘。自衛隊明記の問題点を詳しく解明し、安倍9条改憲阻止の運動を広げる重要性を強調しました。
 午後からは、県内各地の9条の会の交流会も開かれました。


《2019年2月10日》
日本共産党岩手県党会議開く
市民と野党の共闘勝利と党躍進を


 2月10日、日本共産党岩手県委員会は、紫波町で第27回党大会第3回県党会議を開きました。
 菅原則勝委員長が県党の総合計画(案)を提案。当面の政治目標について▽参院選は比例で10万票(得票率15%以上)を得て紙智子参院議員をはじめ7議席以上を実現し選挙区で野党統一候補の勝利をめざす▽知事選は市民と野党の共闘を前進させてたたかう▽県議選は現有3議席を絶対確保し、5議席へ挑むーと述べました。
 菅原氏は、津波からの復興、消費税10%増税中止、「戦争する国づくり」阻止、辺野古の新基地建設反対などに取り組むと提起。3月1日までの「統一地方選必勝作戦」をやり抜こうと訴えました。計画案は全会一致で採択されました。
 3年連続参加の達増拓也知事は「共産党が復興に大きな貢献をされていることに、重ねて感謝したい。ますますの発展とご活躍を」とあいさつしました。
 自由党県連の関根敏伸幹事長は「共産党に『要』となっていただき、4野党は候補者一本化へ努力している」と話し、社民党県連合の小西和子代表は「市民と野党の共闘を追求する共産党に敬意を表したい。今後の活躍を期待します」と強調。国民民主党県連の黄川田徹代表のメッセージが紹介されました。
 紙氏は「ウソと隠ぺい、『亡国農政』の安倍政権の打倒へ力を尽くす」と訴えました。


《2019年2月8日》
2月定例県議会に向け県政への要望を聞く会ひらく

 2月8日、日本共産党県議団は、2月定例県議会(2月13日開会)に向け、各界のみなさんから県政への要望を聞く会を開きました。9団体から10人の方々に参加いただきました。
 はじめに私から、12月県議会での論戦や、8年を迎える東日本大震災津波からの復興の現状と課題などについて報告。被災者の医療費・介護利用料等の免除継続や住宅再建への補助など、この間県民とともに実現してきた全国に誇る県独自の復興の取り組みについても紹介しました。
 参加者からは、「被災者生活再建支援金(現行300万円)を500万円に引き上げる運動をもう一度起こしたい」「幼児教育の無償化は所得の低い世帯ほど恩恵を受けないなど問題が多い」「子どもの医療費助成は今年8月から小学生まで現物給付となるが、さらに中学校卒業まで拡充されるように運動を強めたい」「主要農作物種子法が廃止され、公的研究機関での種子の開発や普及に多大な影響が懸念される。県独自に同法に代わる条例制定を求める請願を提出したい」などさまざまな意見や要望が出されました。
 2月県議会では、25日(月)に高田一郎県議が3番手で一般質問に登壇。予算特別委員会では千田美津子県議が知事に対する総括質疑を行うとともに、次期総合計画特別委員会では私が総括質疑に立つ予定です。
 ご意見・ご要望などお気軽にお寄せください。


《2019年2月3日》
陸前高田市長選 戸羽市長が3選 復興やりとげ笑顔のまちに

 2月3日、陸前高田市で、震災後2回目の市長選挙が投開票されました。党派を超えた市民団体「あたらしい陸前高田市をつくる市民の声」の戸羽太氏(54)=現=が、大激戦の末に紺野由夫氏(59)=新=を5票差で制し、3選を果たしました。
 開票の中間発表で互角の状態が続いた午後10時、戸羽氏当選が「市民の声」事務所に伝わると、詰めかけた大勢の人たちから歓声と拍手が起きました。
 市長選では復興をやり遂げ、震災後8年の苦労を忘れずに誰にも優しいまちづくりを継続するのかどうかが、大争点となりました。
 戸羽氏は、被災者の最後の一人まで支援をしつつ、震災後に市民がつらい思いをしたからこそ「優しさと笑顔のまちを」「津波伝承館などで全国全世界の人たちを温かく迎えたい」と力説しました。
 紺野陣営は復興を何も語らず、新庁舎建設など復旧に必要な公共施設整備について「市には過大で財政破綻を招くもの」と歪める異常なデマ宣伝や、企業締め付けと大量動員体制を徹底。これに対して戸羽陣営は、子育て支援などの政策を宣伝や対話で訴え抜き、攻撃を打ち破りました。

 開票結果は次の通りです。

当 戸羽  太無現 6504

  紺野 由夫許ウ新 6499

(投票率78.38%)


《2019年2月2日》
10月消費税10%阻止へ―ネット準備会が講演会
署名など呼びかけ


 10月からの消費税10%増税を阻止しようと、14団体でつくる「10%ストップ!ネットいわて(仮)」結成準備会は2日、盛岡市でジャーナリストの斎藤貴男氏を迎えた講演会を開きました。会場いっぱいの110人が参加しました。
 斎藤氏は「市民と野党が一緒になって(安倍政権を追い詰め)、10%増税をつぶすことが大事だ」と指摘。毎月勤労統計の不正で昨年の賃金伸び率が疑問視されており、国民の生活実感から見ても増税を強行すべきではないと話しました。
 斎藤氏は、ポイント還元など10%増税に関わる景気対策は「どうやっても(国民の間に)不公平が出る。その最たるものが『軽減税率』だ」と批判。新聞業界が自民党に依頼して「軽減税率」を適用させたと告発し、安倍政権との癒着(ゆちゃく)の拡大に警鐘を鳴らしました。
 岩商連の坂下豊事務局長は、当面の活動として▽署名の推進▽2月の地方議会への請願提出▽同ネットいわて賛同の呼びかけ(正式な結成は3月上旬に記者会見で発表)―などを提起しました。
 参加者からは、「うそばかりつく安倍政権を参院選で倒し、10月の10%増税もやめさせよう」などの決意が語られました。


《2019年2月1日》
県議団が一関市の教育・子育て支援、一関工業の県内就職等について調査

 2月1日、県議団が一関市の教育・子育て支援等の調査を行いました。これには一関市議団と阿部平泉町議も同行しました。

特別に支援が必要な児童生徒が増加、教職員の働き方改革の取り組み

 午前9時30分から市議会の会議室で小菅教育長らから、一関市の特別支援教育、教職員の働き方改革、子どもの貧困対策などについて説明を受けました。特別支援学級の在籍者は、小学校で225人、中学校で96人、計321人となっています。そのうち、知的障害が小学校で133人、中学校で53人、計186人、自閉症・情緒障害が小学校83人、中学校41人、計124人で全体の96%を占めています。平成30年度は3.83%で全国の2.4%(29年度)より高い状況です。特別支援学級数は小学校で65、中学校で30です。学校アンケートでは、特別に支援が必要な児童生徒は、小学校で733人、中学校で183人、計916人、11.3%です。
 課題として、@一関市では全国を上回るペースで特別支援学級在籍児童が増えていること。A特別に支援が必要な児童生徒の割合も増加しており、学校の見たてでは、10人に1人となっていることです。一関市は独自に「特別支援教育推進事業」として、1)特別支援コーディネーターの配置(2名)、2)専門家チーム相談会の充実(15名)―年150回、3)学校サポーターの配置―週28時間勤務の学校サポーター37名、19時間勤務(小学校低学年対応)9名、合計46名の配置、学校からは583人の要請があるとのこと。4)特別支援教育講演会の開催に取り組んでいます。
 特に注目したのは、個別教育支援計画及びIISS(一関市個別の支援シート)の作成とその活用です。
 教職員の働き方改革の取り組みでは、パソコンソフトで出退勤時刻の確認、学校閉庁日や夏季休業中の休暇取得、国・県のガイドラインに準じた部活動の改善、スポーツ少年団等を含め原則として20時を超えないように計画するとしています。残業時間の削減では、最終退勤時刻を20時とし、21時以降の残業が原則禁止の方針です。業務改善では、会議時間の削減、研究・報告の減に取り組んでいるとのことでした。残業しても残業代が支給されない旧特法が改正されないことが問題だと指摘がありました。
 子どもの貧困対策では、就学援助制度(平成29年度458人、8.17%)について、制度の周知に努めているが、「制度を知らなかった」「周囲の目が気になる」などの理由で制度を利用してない家庭があると指摘されました。

保育待機児童問題、児童虐待、産後ケアの取り組みを聞く

 午後からは、保健福祉部長らから保育の待機児童、児童虐待、産後ケア事業について説明を受けました。
 保育の待機児童は、昨年4月1日段階でゼロ、隠れ待機児童は49人、10月1日段階では、待機児童が7人、隠れ待機児童が80人程度とのこと。保育所等の入所児童は平成27年度の2425人から30年度は2609人と184人増となっています。小規模保育事業等が増加した結果とのこと。東磐井地区では保育士の確保ができずに待機児童となっている事態もあるとのことでした。
 児童虐待の取り組みでは、平成29年度の虐待相談受付が38件、自裁の虐待対応のケースは13人で延べ対応件数は257件です。一関児童相談所との連携がうまくされているとのことでした。平成30年度から産後ケア事業に着手、開業助産師に委託の形で、家族から十分なケアを受けられない3人を対象に訪問型で取り組まれています。また、妊娠届の際には、母子保健コーディネーターが連絡、訪問、確認をし、支援が必要な人のアセスメントをしているとのことでした。

一関工業高校の県内就職率向上の取り組み

 一関工業の県内就職率は、昨年の35%から46%に向上しています。求人は県外を中心に1800社、うち県内は630社とのこと。昨年11月には、「地元企業を知る!ガイダンス」を開催し、12社の担当者や同校OBが仕事内容や福利厚生などについてプレゼンテーション、生徒と保護者132人が参加したとのこと。2年生のインターンシップは5日間、市役所を含め管内企業の協力で実施しているとのこと。藤原校長は県内就職率60%をめざしたいと述べました。
 一関工業は高校再編計画の前期計画では、平成32年度に学科減と計画となっていますが、30年度は151人の在籍数となっており、県内企業の求人の増加の中で、県立工業高校の在り方が問われる状況になっていると感じてきました。部活動でも男子バスケットが高体連で優勝、卓球でも準優勝、ロボット大会でも全国大会出場など頑張っています。資格取得は県内1位でジュニアマイスターとのことです。
 藤原校長は、来年度入試でも生徒を確保し現在の4学科を守りたい。青森や秋田で実施している35人学級が必要、創立60年を迎えるが校舎の老朽化対策も課題だと話されました。

障がい者施設・黄金荘を訪問、現状と課題について聞く

 午後3時から、平泉町にある障がい者支援施設・黄金荘を訪問し、施設長の永山さんから障がい者施設の現状と課題について聞きました。
 永山さんは、平成13度からの障害者自立支援法以来、報酬は月額から日額(月から金)となり報酬減となっていること。障害支援区分(1〜6)の判定区分に問題があり、支援の必要性に関係ない単価になっていることを指摘。通所介護サービスでは、送迎加算が減額となり、就労支援事業では、賃金が低いと報酬単価が下げられることになるとのことです。
 社会福祉法人幸得会では、障がい者支援施設とともに重度心身障がい者も対象となる居宅介護支援センター「やすらぎ」、多機能型事業所「竹とんぼ」、共同生活援助(グループホーム)「南郷荘」、地域包括支援センター「ひらいずみ」を運営しています。一番困っているのは、職員の確保とのこと。今年度も来年度も各4人の新採用が確保されていますが、ぎりぎりの人員とのこと。国の処遇改善加算は、国家資格・10年以上勤務が条件のサービス管理責任者に限られ、全体の待遇改善とはならないこと。消費税の増税では、食材や物品などに消費税がかかり、報酬が引き上げられないと負担増となると述べました。