2022年10月13日 文教委員会
文化スポーツ部に対する質疑
(大要)


・いわて盛岡ボールパークについて

【斉藤委員】
 今の県営球場は野球場としては使えないわけですよね。そうすると、これは基本的に解体して跡地利用ということになるのかどうか。現段階でどのように考えているでしょうか。

【スポーツ振興課総括課長】
 今いただきました通り、まず集約化債というものを使って市と協議を進めるという性質、決まりから申しますと、今の球場というのは今年度いっぱいで閉場になると。その後につきましては、施設の活用につきましては、やはり公的な施設でございますので、まず県の政策に即した形で活用できないかというところを現在検討を進めながら、その次に、例えば地域振興の観点で地元盛岡市ですとか、あるいは民間という順序で進めていきたいと考えてございます。

【斉藤委員】
 野球場ですからね、野球場としては使えないということになるわけですよね。なかなか今の施設を活用するというのは難しいのではないかと。そもそも野球場専用球場ですから、トレーニングルームだけ活用するとか、そういうことにもならないんじゃないかと私は思うんだけれども、それは全くこれからの検討ということになるんですか。解体も含めて。

【スポーツ振興課総括課長】
 内々に庁内におきましては、検討はすでに入ってはおりますけれども、大きく形にしていく段階はこれからということになります。
 規定・決まり上、公的な野球場ということの用途を廃止するという条件で起債ができるものですから、県営の野球場という形での使い方は基本的にできないと。そこを含めた上での検討を進めていくという風な今後の検討ということになっております。

【斉藤委員】
 今の答弁はすごく微妙だったんだけど、県営の野球場としては使えないけれども、県営でなければ使えるんですか。

【スポーツ振興課総括課長】
 これも例えばの話でこれからの進み具合によりますけれども、例えば、ものすごく改修費を多く出して買って民間の球場として使いたいという民間の方がいらっしゃれば、それも1つの可能性としては排除にはならないということでございます。

【斉藤委員】
 市営球場は盛岡市直接の所管だと思うんですけれども、私の地元に市営球場があるものですから、もう本当に朝野球でこのシーズンというのは本当に連日使われて、土日なんかも大会がやられたり、盛岡地区の中学校の大会にも使われていたと。
 こうした方々が新しいボールパークを利用するというのはなかなか今までのようにはいかないんじゃないかと思いますけれども、これまで市営球場を使っていた方々はどういう形で今まで以上に活動できるのか。そこら辺りはどのように受け止めていますか。

【スポーツ振興課総括課長】
 やはり委員おっしゃった通り、非常に一生懸命活動なさっている野球人口と申しますか、愛好者の皆さんもたくさんいらっしゃいます。都南の新しい球場、もちろん申し込んで使っていただくことは可能ですが、それ以外に充実した活動をということになりますと、やはり現実問題としては、ここの近隣にある運動公園ですとか河川敷にある球場ですとか、いろいろなところをフルに有効活用しながら進めていくということを基本としていくことだと思います。

【斉藤委員】
 分かりました。直接には盛岡市がどのようにあそこを利活用するかということを含めて、これは別問題だと思いますので。

・新型コロナにかかる文化芸術団体への影響について

【斉藤委員】
 新型コロナに関する文化芸術団体への影響と県の対応、支援の状況はどうなっているでしょうか。

【文化振興課総括課長】
 県では定期的に一般社団法人岩手県芸術文化協会の加盟団体等を対象に影響調査を行っており、直近では9月に調査を実施した結果、「新型コロナウイルスが活動に影響いている」と答えた団体が約8割、80.5%になっております。このうち、「大きく影響がある」と答えた団体の割合は31.7%となっており、前回6月の調査から3.3ポイント減少、1年前の令和3年9月の調査からは41.0ポイント減少しているということで、影響が徐々に改善しているという傾向がうかがえます。
 具体的な影響の内容としては、前回の調査では、「稽古、練習場の自粛」がもっとも大きな割合を占めておりましたけれども、今回の調査では「団員、会員等の活動意欲の低下」がもっとも多くなっているところで、影響の内容の変化が見られております。また、「公演、展覧会等の中止」を挙げる団体の割合が、過去の調査と比較して小さくなってきており、感染対策等をとりながら、活動の継続・再開を図っている様子がうかがえるものでございます。
 県の対応といたしましては、コロナウイルス感染症の影響により公演などの事業の中止・延期を余儀なくされている文化芸術団体の活動の継続・再開を支援するための補助金=いわて文化芸術活動支援事業を実施しているところでございます。令和3年度の実績としては17事業に補助しております。今年度についても29の事業に支援をする予定となってございます。
 先ほどもお話しましたけれども、先日県民会館で第75回の芸術祭ということで、フェスティバル、体験イベントなどを実施したところで、人数制限も設けずに多くの方に来場していただいたところでございます。また、オンライン等の映像配信等もあわせて行いながら、コロナ感染対策を実施しつつ、会場で対面での開催も活発に行うということで、引き続き文化芸術活動の機運を醸成しながら、文化芸術活動の布教、鑑賞の機会の確保に努めてまいりたいと思います。

【斉藤委員】
 新型コロナの影響を受けているというのが80.5%ですから、これは本当に大変な状況だし、今の答弁を聞きますと、会員等の活動意欲の低下という、これは本当に根本的な問題だと思うんですね。そういう意味でいけば本当にきめ細かな支援が必要だと。
 東日本大震災の復興の中でもですね、やはり文化活動、スポーツ活動も含めてですね、私は復興の心の支えになるというか、復興の重要な分野を担ったし、特に伝統文化の継承という点では、岩手県もかなり力を入れて、その復活・再開に取り組んできた。新型コロナの場合には、全県的な形での影響がありますので、私はしっかりこれは取り組んでいただきたいと。
 コーディネーターも県内各地に配置をしたようですけれども、このコーディネーターの役割というのはどのように発揮されているのでしょうか。

【文化振興課総括課長】
 文化芸術のコーディネーターについてですけれども、圏域ごとにNPO等に委託をして担っていただいておるところでございます。圏域ごとのネットワーク会議というところを、リーダー的な存在で各市町村の公共施設の担当者であったり、市町村の文化芸術の担当者などを集めて研修会や最新情報の共有等さまざま活躍していただいております。それと、各地域の文化芸術の相談窓口であったり、あとは情報について、県のホームページの文化情報大辞典の方に情報を掲載して流すような役割を担っていただいております。

【斉藤委員】
 分かりました。本会議での質問にも出ましたけれでも、黒沢尻北小学校がNHK音楽コンクールで金賞、日本一という素晴らしい成果も出ていますし、国体でも大変岩手出身の活躍もありました。
 文化スポーツ活動というのは、やはり私たちが生きていくうえで必要な課題だと。困ったときには制約されていいということではないんだと思うので、そういう位置づけでですね、引き続き頑張っていただきたい。

・スーパーキッズの取り組みと成果について

【斉藤委員】
 2つ目ですが、スーパーキッズの取り組みと成果について示してください。

【スポーツ振興課総括課長】
 スーパーキッズの取り組みと成果についてでございますが、すでにご理解深くいただいておるようで委員にはおさらい的な部分になるかもしれませんけれども、このスーパーキッズの事業、そもそも世界に活躍するトップアスリートとなる人材の発掘・育成を目指しまして、平成19年度から開始した事業でございます。今年度で16年目を迎えております。これまでの修了生は391名を数えておりまして、現在は在籍者136名で活動を進めております。
 その時々のトップレベルの指導を取り入れまして、進化させながらここまで進めてまいりました。年代に応じた効果的なプログラムの提供に取り組んできまして、現在は、小学生U-12、中学生U-15の2つのカテゴリーでの発掘・育成を行っております。
 その主なプログラムといたしましては、身体や知的能力の開発を行いますスペシャルスクールですとか、あるいはさまざまな競技を体験するトレーニング、あるいはトレーニングキャンプ、体力測定、自分にもっとも適した競技の選択に向けました説明会、あるいは保護者に対してのプログラムなど実施してございます。
 このような取り組みによりまして、修了生からは、ご案内の通り北京オリンピックで1期生の小林陵侑選手が金・銀のメダルを獲得いたしました。それから5期生の谷地宙選手も出場を果たしました。それから、世界大会などで延べこれまで52名、全国大会などで延べ361名が出場しておりますが、中央競技団体の強化指定選手10名、プロスポーツ選手3名を輩出しております。また、先ほどご紹介いただきましたけれども、今回栃木で行われました「いちご一会とちぎ国体」こちらの方では7期生の菅原陸翔選手がボート競技シングルスカルで優勝を果たしましたけれども、これらのスーパーキッズ事業におきまして、本人の適性を見いだしまして競技種目を変更したものということで注目が集まってございます。また、今年度に入りまして、二度テレビの全国放送にキッズが取り上げられたり、あるいは指導者の専門誌みたいなものにも掲載されておりまして、この事業が全国的にも注目を集め、県内でも認知度が上がっているということで嬉しく思っております。

【斉藤委員】
 着実に成果があがっていると、トップアスリート育成を目指してその成果があがっているという風に思いますけれども、もう1つスーパーキッズの役割、重要性というのは、やはり最先端のスポーツ医科学に基づいた選手の育成、トレーニングですよね。私はこれは、例えば小学校なり中学校に帰って、その小学校中学校でもその最先端のものが共有されるといいますか、そういう効果が大事なのではないかと。実は文教委員会で取り上げたことがありますが、スーパーキッズの将来本当に期待された陸上の選手が、陸上の顧問と衝突して、いわば最先端のトレーニングが分からなかったんですね、顧問は。「俺の言うことは聞け」みたいな形で、この選手はもう陸上を断念するような事態に追い込まれたと。いじめられてというか、パワハラで。そういうことがありました。だから、1つは指導者がこういうスーパーキッズで取り組まれている最先端の育成の中身だとかトレーニングの中身だとかということを理解する必要があるし、またそのスーパーキッズの子どもたちを通じて私は学校の中でも共有されて、その学校でもレベルが上がっていくということが大事なんだと思いますけれども、その点についてどのように把握されているでしょうか。

【スポーツ振興課総括課長】
 ただいま委員からご指摘いただきました内容、そちらにつきましては我々も理解して把握して、重要だと思って進めてございます。
 先ほど申し上げましたスーパーキッズの成果がぐっと上がることによって認知度が上がっているということに連動して、やはり県外の、例えば学校に次の年度の選考のお願いですとか説明にはもうあがっているんですけれども、前に比べて先生方も理解というか協力の度合いみたいなものがあがっているようなことを肌で感じております。
 それからキッズの課題の中では、やはりその時々の不断の改善をしていく、最先端を勉強して取り入れていくというところは、これはもう行っていくことでございますので、そこでは県内の指導者あるいは指導体制の中での模範となるようなやり方をしていきたいと思いますし、いろいろなプログラムに県内の競技団体の指導者なども関わっていただきますので、随時そのようなところで見ていただいて確認しながら、あとは学校の方でもキッズをリスペクトしていただくような形で、どんどん良い方向に広げていきたいと考えてございます。